6月上旬、「湿地の女王」とも呼ばれるエゾカンゾウを味わう催し
『湿地の女王エゾカンゾウを美味しくいただこう!薬膳師と湿地贔屓がお届けします』
を開催しました。

講師は薬膳師の荒井直子さん。


定員を超えるお申し込みをいただき、ご参加いただけなかった皆さまには申し訳ありませんでした。今後、動画等で内容をお届けできればと思っています。
今回の主役は、私たちが数年前から、タネを採るところから育ててきたエゾカンゾウ。


北海道の湿地や草原を鮮やかな橙色に彩るこの植物は、観賞するだけでなく、古くから食用や薬用としても利用されてきました。
エゾカンゾウは食べられる
まずは参加者の皆さんと一緒に、畑で育てているエゾカンゾウの花と蕾を摘み取りました。
エゾカンゾウは「一日花」と呼ばれ、朝に咲いた花は夕方にはしぼんでしまいます。
大きな株では一つの花茎に10個以上の花が咲きますが、すべてが結実すると株への負担も大きくなります。そのため、花や蕾を適度に利用することは、株の消耗を抑えることにもつながります。
今回いただいたのは、そんなエゾカンゾウの花と蕾。
荒井さんが用意してくださった料理は実に多彩でした。
- エゾカンゾウの花のおひたし
- エゾカンゾウの蕾のナムル
- 帆立・スナップエンドウ・蕾の中華炒め
- 花入り薬膳スープ
- 甘酢に漬けた花の押し寿司
- もちきび団子とエゾカンゾウのクリーム煮
- 豆花(トウファ)

鮮やかな色合いとやさしい味わいに、参加者の皆さんからは驚きと歓声が上がりました。
「どんどん殖やして食べたらいい」
私がエゾカンゾウを食べられる植物として初めて知ったのは、10年以上前のことです。
湿地研究者であり北海道大学名誉教授の辻井達一先生から、こんな話を伺いました。
「エゾカンゾウはね、とても美味しいんだよ」
花を愛でるものだと思い込んでいた私は驚きました。
さらに先生は、
「蕾や花は中華料理にも使うし、『金針菜』という生薬にもなるんだ」
と教えてくださいました。
そして最後に、今でも忘れられない言葉をくださいました。
「どんどん殖やして食べたらいい。そうしたら皆、湿地が好きになるよ」
湿地を守る入口として
その言葉を聞いてから十数年。
タネから育てたエゾカンゾウが増え、ようやく多くの方と一緒に味わう機会をつくることができました。


湿地を守ろうと呼びかけるだけでは、人の心はなかなか動きません。
けれど、美しい花に出会い、その恵みを味わい、その背景にある自然や文化を知ることで、湿地への関心は少しずつ育っていきます。
今回の会が、エゾカンゾウを好きになるだけでなく、湿地そのものに親しみを持つきっかけになっていたら嬉しく思います。
そして、辻井先生の言葉どおり、湿地の恵みを楽しむ人が増えていくことを願っています。



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